ここ数年、錦織圭選手や大坂なおみ選手など、日本人選手の活躍が目覚ましいテニス界。このようにテニスが注目を集めたことは今までにも何度かあり、「強かった選手に憧れてテニスを始めた」「テニスを見ると青春時代を思い出す」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、過去に起こったテニスブームの振り返りや、過去の名選手について紹介します！
まずは今までのテニスブームについて振り返ってみましょう！
1958～59年といえば、当時の明仁皇太子殿下と正田美智子様のご成婚が大きな話題となった年。民間出身の美智子様が皇太子殿下と軽井沢でのテニスをきっかけに、自由恋愛から結婚に至ったことで「ミッチー・ブーム」とも呼ばれる社会現象になりました。これに伴って、テニスも大きく注目を浴び、各地でテニスコートの整備が行われるなど第一次テニスブームへと突入します。
当時、テニスをする美智子様の白いウェアや白手袋、カメオのブローチ、ヘアバンド、ストールといったスタイルに憧れる方も多く、ミッチースタイルと呼ばれるファッションも大流行。皆さんの中にも、「ミッチースタイルを真似していた！」「身近な女性がミッチースタイルだった！」という方もいるのではないでしょうか。
第二次テニスブームは、1975年に全英オープンで吉田（旧姓：沢松）和子・アン清村ペアが女子ダブルスで優勝を果たしたことが始まり。また、この頃は漫画「エースをねらえ！」が人気を博していたこともブームに大きく影響したといえます。元プロテニスプレーヤーの松岡修造さんがテニスを始めたのも、エースをねらえに憧れたことがきっかけなのだとか。
この第二次テニスブームは10年ほど継続し、全国各地でテニスコートが整備されました。この頃は高度経済成長期と重なったこともあり、別荘地をはじめ、会社の福利厚生施設や自治体のスポーツ施設でもテニスコートが設けられ、「お金持ちのスポーツ」から徐々に「一般でも楽しめるスポーツ」に変わり始めた時期ともされています。
テニスを楽しむ人たちが増えたことで、テニススクールはキャンセル待ち、テニスコートも一日中盛況となるなど、テニスは大きく盛り上がりました。
第二次テニスブームから少し時が経ち、2002年に第三次テニスブームがやってきます。第三次テニスブームは、少年漫画「テニスの王子様」が大きく影響したといわれていて、特にジュニアテニスが大きな盛り上がりを見せました。
錦織圭選手も小学生の頃からテニスの王子様ファンというのは有名な話で、代名詞にもなった「エアK」も、テニスの王子様で登場する技がモチーフになっているとのウワサも。漫画が錦織圭選手のプレーにも影響を与えていたというのは驚きですね！
また、テニスを始める子どもが増えたことで、第一次、第二次のブームを経験した方がお子さんやお孫さんとテニスを楽しむ光景も見られるようになりました。
錦織圭選手の全米オープンの活躍などから始まったのが第四次テニスブームです。その後も、大坂なおみ選手の全豪オープン優勝など大きな話題が続いていることから、2022年に入ってもテニスの話題を目にする機会は多くなっています。
ブームをけん引する錦織圭選手や大坂なおみ選手が現役ということもあり、皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。こうしたテニスへの関心の高まりを、「一時のブーム」ではなく「もっと身近で楽しんでもらえるスポーツ」として長く親しんでもらえたらうれしいですね。
1958年に始まった第一次テニスブームから現在に至るまで、幾度とスポットライトを浴びてきたテニス。ここでは、そのテニスシーンを彩った名選手たちを紹介します。
ロッド・レーバーはオーストラリア出身の男子テニス選手です。グランドスラムにアマチュアしか参加できなかった1962年と、プロも参加可能となった1969年に「年間グランドスラム」を達成しています。
「プロが参加できるようになってからの年間グランドスラムの達成者」「年間グランドスラムを2度達成しているテニス選手」は、現在でもレッド・ローバーただ一人です。このような偉業から、現在でも歴代最強のテニスプレーヤーとして語られることが少なくなりません。
石黒修は1971年に戦後初の日本人プロとなったテニス選手です。1961年のデビスカップ東洋ゾーン準決勝での劇的な逆転劇をはじめとして、当時最強といわれたニール・フレーザーを破る、初のウィンブルドンで初戦を突破、全日本選手権で数々の優勝を奪うなど、日本テニス界を大きく盛り上げました。また、日本プロテニス協会の創設者でもあり、日本テニス界のパイオニアとして語られています。
吉田和子は、1975年にアン清村選手とのダブルスで日本女子選手初のウィンブルドンでの優勝を果たしたテニス選手。その活躍は日本でもテニスブームが巻き起こるほどの大きな衝撃を与えました。また、ウィンブルドンと全仏の女子ジュニア部門での優勝やグランドスラムでの数々の好成績、国内では7年半で192連勝という記録を残しています。
テニスの歴史を振り返って、もしかしたら「またテニスを始めてみようかな？」とうずうずしている方もいるのではないでしょうか。テニスは年齢に関係なく楽しめる生涯スポーツなので、いつスタートしても遅いということはありません。とはいえ、いきなり道具を買いそろえて、テニス仲間を募る……というのは難しいもの。そこで、まずはテニススクールに通ってみませんか？
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